【26歳の体外受精】思ってたんと違う!「意外」な体外受精の理想と現実&妊娠後に潜むリスクとは

不妊治療

26歳で体外受精に踏み切ったワケ

私は26歳で体外受精にステップアップし、28歳の時に行った4度目の移植でようやく妊娠することができました。

20代中盤で体外受精に踏み切る人は、ゼロではないにしろ、かなり少数派だと思います。

実際、私の周りの友人(未婚・既婚子持ち含む)に話しても、“不妊”という言葉が身近なものであるという感覚を持つ人がほぼおらず…。

「まだ若いから大丈夫だよ!」

「不妊って年取ってからの話でしょ?」

「そこまでして子供欲しい?」

など、心無い言葉もたくさんかけられました。

そんな、超アウェーな雰囲気の中で、なぜ私が26歳という若さで体外受精に臨んだのかというと

  • これといった不妊原因がみつからなかった
  • 23歳から治療を開始し、1度も陽性反応なし
  • FSH(卵巣年齢)高めだった

の3つが大きな理由です。

23歳から不妊専門のクリニックに通って、各種検査を行いましたが、特に異常は見当たらず。

しかし3年間欠かさずタイミングを取っていたにもかかわらず、1度も陽性反応が現れることはありませんでした(化学流産等もなし)。

つまり私は「原因不明不妊」だったワケですが、この“原因不明”というのが厄介で、『原因が見つからないから放っておけばいつかできる』とはならないのです。

むしろ、『今の医学では解明できない原因が潜んでいる』と、捉えなければなりません。

さらに私の場合、FSHという卵巣年齢を示す数値が、24歳時点で9.9、26歳時点で10.8といずれも高値でした(30代後半〜40代くらいの数値です)。

この時はまだ毎月きちんと排卵もあったし、そこまで大きな問題ではありませんでしたが、いつ排卵障害を引き起こしてもおかしくない数字だったので、「卵子がきちんと取れるうちに」という思いも、体外受精へのステップアップを後押ししました。

20代で体外受精をするメリット

ということで、私が20代で体外受精に進むことを決めた際の、「決め手」となったメリットとデメリットをまとめると、こんな感じになります。

卵子は日々歳をとるので、早いに越したことは無い

26歳は「まだ若い」と言われがちですが、まだ若いからこそ、妊娠できないことから目を背けず、真剣な問題として捉えるべきだと思いました。

それに、卵子や体は日々、刻一刻と歳を取っていくので、やはり妊娠は1日でも早いに越したことはないと思います。

26歳の私に「まだ若いよ!」と言っていた人たちは、誰も責任を取ってはくれません。

どうせ、そのままズルズルと30歳、35歳を迎えた途端に「そろそろ急いだら?」「もういい歳だよね」と、手のひら返しをするはずです。

周りがどう言うか、に惑わされたら自分の大切な1日・1年を棒に振ることになってしまいます。

妊娠にはタイムリミットがある

こちらもよく知られた話ですが、やはり妊娠には適齢期があるのは事実です。

よく、卵子の老化の観点から35歳というのが一つのリミットとして挙げられますよね。

私は「まだ若いし」と安心しながら、割とのんびりタイミング法をしている間に、あっという間に3年という月日が経ってしまったので、「このまま神頼みでタイミングを続けていたらあっという間に10年ぐらい経っちゃう!」という焦りが出てきたのが、ちょうど26歳の頃でした。

35歳まではまだ時間があるとはいえ、体力的なことや第二子・第三子まで望むことを考えたとき、あまり余裕はないな、と現実的にタイムリミットを考えるようになりました。

体外受精の成功率は、20代が最も高い

やはり、同じ体外受精をするにも20代の成功率が高いことは顕著で、いろんなクリニックが開示しているデータにもそれは現れています。

それに、20代だと一般的に

  • 1度の採卵で取れる卵子の数が多い
  • 卵子の質が良い

となることが多いので、採卵にかかる肉体的・金銭的負担を減らせるのは大きなメリットだと思います。

また、一般的に20代は流産率も低いので、その後の妊娠経過のことを考えても、早いに越したことはないと思いました。

20代で体外受精をするデメリット

ただ一方で、20代という若さで体外受精をすることのデメリットもあります。

それは…

金銭的な負担が大きい

やはり、金銭的な負担が大きいことです。

体外受精は自由診療となるため、クリニックや治療方法によっても金額が大きく異なり、1度の治療金額に数十万円単位で差が出てくることは珍しくありません。

ネットで調べると、「40万円だった」という人もいれば、「90万円かかった」という人まで…

経済的に安定しているとは言い難い20代で、“いくらかかるかわからない治療費”を捻出するのはとても大きな負担になるのは事実です。

それに、治療を始めるのが早いということは、長い期間治療するチャンスがあるということでもありますが、逆に言うと「ズルズルと治療を続けてしまう」ということも招きかねません。

この「ズルズル治療」がまさに不妊治療の落とし穴で、いつの間にか金銭感覚がマヒしてしまい、ギャンブルのごとくお金を使い続けることになりかねないんです。

宝くじで言う「買っても当たらない、でも買わなきゃ絶対当たらない、から買う」という心境と全く同じ感覚です。

治療のチャンスが多いからこそ、きちんと家計と相談しながら治療をできるか、が20代での体外受精ではとっても大切です。

「意外!」思ってたんと違った20代の体外受精

そんなワケで、26歳で体外受精に踏み切ったのですが、実際に体外受精をしてみると「あれ?思ってたんと違うな…」と思うこともたくさんありました。

そこで私が体外に進んでみて良くも悪くも驚いた、体外受精の真実を紹介したいと思います。

あくまでも、個人の経験談として参考にしていただければと思います。

採卵・移植共に、割とスケジュールが組める

ネットでしきりに不妊治療の大変さとして囁かれる「スケジュールが組めない」という話。

これは体外受精にステップアップした時に本格的な悩みになることはわかっていました。

なので私は、事前に仕事を辞めて、治療に専念すべく主婦になっていたのですが…

採卵も移植も、事前に結構スケジュールが組めることが分かり、ちょっと拍子抜けしました。

私が行ったのは

採卵:アンタゴニスト法

移植:ホルモン補充周期、自然周期

ですが、自然周期での移植以外は、クリニックから事前に提示されていたモデルケース通りのスケジュールで完了することができたので、急な予定変更はありませんでした。

それに、採卵の場合は採卵日を含めて5回の通院(3〜4日おき)、ホルモン補充周期での移植では移植日を含めて4〜5回の通院で済んだので、職場がそれなりに理解してくれる環境であれば、わざわざ退職する必要もなかったのかも…?

とちょっと後悔しています。

(一方、自然周期での移植では、「明後日来て!」という急なスケジュール組みがありました)

事前に、採卵は刺激法でスケジュールのコントロールをするのか、移植はホルモン補充と自然周期のどちらを推奨しているのかをクリニックに確認しておけば、スケジュールの見通しも立てやすくなると思います。

自己注射の注射器がガチだった

私はアンタゴニスト法という刺激法で、1度の採卵でなるべくたくさんの卵子を取る方法をとりました。

そのために、卵胞数を増やし、排卵をコントロールするための注射を自分で行うのですが、最初はインスリン注射とかに使うペン型の注射器を使う物だと思い込んでいたのですが…

実際には、シリンジと注射針を自分で組み立てる、ガチな注射器でした。

しかも、薬剤もアンプルやバイアルに入った物を渡されて、自分で作るという…。

薬剤の調製法や注射の仕方は病院できちんと教えてくれますし、注射針も1cmほどでとっても細い物なので、全く痛みは感じないです。

ただ、注射が苦手な私にとってはその見た目がもうアウト…。

注射を自分に刺すという行為が怖すぎて、痛くもないのに涙目になりながら自己注射を乗り切りました。

OHSSは結構辛い

採卵が終われば自己注射からも解放されるし、しばらく病院に行く必要もないので「自由だー!」っとなると思いきや…

アンタゴニスト法で20個超もの卵子を取ったため、卵巣が腫れあがってしまい、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)になってしまいました。

特に重症ではなかったので、採卵後に生理が来たらすっかり治ったのですが、それまでは

  • お腹が妊婦のようにポッコリ
  • 歩くだけでズシズシとお腹に響いて痛い(特に階段は辛い)

と、普通に生活はできますが、なかなか不快な日々を過ごしました。

「採卵周期は採卵まで頑張れば良い!」と思っていただけに、採卵後にも地味に苦しめられることになるとは、思いもしませんでした。

採卵後も受精率・凍結数・グレードなど気になって仕方がない

当初は、「採卵が終わればあとは移植だけ!」と思っていましたが、実際には

  • 採卵数
  • 受精率
  • 凍結数(胚盤胞到達率)
  • 胚盤胞のグレード

と、次から次へと気になることが噴出してきてしまい、それまで以上にいろんなデータをググりまくっていました。

実際、胚盤胞ができたかどうかは採卵から5〜6日後に分かるのですが、それまでは生きている心地がしないくらい、不安で不安で仕方がありませんでした。

今思えば、お金も時間もかけているだけに、これまでの不妊治療とは比べ物にならないくらいの期待が募ってしまって、心もだいぶ疲弊していたと思います。

体外受精したからって、妊娠するワケじゃない

そして、これが一番ショッキングな事実でしたが【体外受精をしたからって、妊娠するワケじゃない】という、悲しすぎる事実です。

それまでは「若くて、グレードの良い卵子があれば100%妊娠できるはず!」と思っていたのですが、実際には

  • 4AA 5日目胚盤胞(SEET法・アシステッドハッチングあり)→×
  • 4BA 5日目胚盤胞、アシステッドハッチングあり、SEET法→×(hcg5.8)
  • 4BB 5日目胚盤胞、アシステッドハッチングあり、初期胚との二段階移植→×(hcg15.3)

と、グレードの良い胚盤胞は全滅、SEET液も早々に使い果たすという結果に…。

予期せぬ失敗続きに、精神的にかなりダメージを喰らい、その後約1年半治療をお休みすることになりました。

もちろん、体外受精が万能な治療法でないことは理解した上で治療に臨んだつもりでしたが、それまでは「体外受精さえすれば!」という最後の砦になっていた手段が断ち切られたような気がして、辛かったです。

お金は意外と戻ってくる

体外受精というと、とにかくお金がかかるイメージですよね。

私の場合、1度の採卵と4度の移植でだいたい120万円くらいかかりました…。

ただ、自治体から助成金をもらうことができて、

  • 採卵〜移植/1回30万円×1(2回目以降は15万円)
  • 移植/1回7.5万円×3

の、計525,000円が返ってきました。

さらに、医療費控除を申請すれば税金が控除されるので、実際には半額程度で済んでいるはずです。

自治体の助成金をもらうには、所得制限もあるし、年齢制限、回数制限もあったりと(現在は6回まで)すべての人に対応している訳ではありませんが、制度を利用できればかなり負担は軽くなります!

ぜひ、「お住いの自治体+不妊治療助成金」で検索してみて、ご自身が助成の対象になるかどうか、チェックしてみてください。

「知らなかった!」体外受精に潜む思わぬリスク

妊娠するための最後の手段としてすがった体外受精。

私の場合、幸いなことに4度目の移植で妊娠に至ることができたのですが、治療を進めたり、出産を迎える中で知った、体外受精の思わぬリスクもありました。

ホルモン補充で乳がんリスクが上がる

これは、移植する段階になって初めて説明されたのですが、ホルモン補充周期での移植では、女性ホルモンを長期にわたって高濃度投与し続ける必要があります。

それにより、【乳がんになるリスクが上がる】というとんでもないデータを見せつけられ、「今更後戻りもできないしどうしよう…」とかなり困った経験があります。

【乳がんになるリスク】と言っても、もちろん100%がんになる訳ではありませんが、それでも恐怖を覚えますよね。

私はこの対策として、長期間のホルモン剤投与を避けるために、

  • 1年間での移植回数を2〜3回にする(できれば間を空けつつ)
  • 乳がん検診にはきちんと行く

と自分の中でルールを決めて、移植に臨みました。

果たしてこの対策に効果があるのか否かは定かではありませんが、このリスクを知っているのといないのでは、検診への積極度などが全く変わってくると思うので、とても大切だと思います。

体外受精での妊娠は胎盤異常のリスクが上がる

胎盤が子宮の下にできてしまい産道を塞ぐ「低置胎盤」や、出産前に胎盤が剥がれてしまう「常位胎盤早期剥離」といった胎盤異常。

これらになるリスクが、体外受精だと高まるというデータが近年報告されています。

日本では大規模な調査が未だ行われていないので、あまり参考になるデータがないのですが、海外の論文を調べてみても、調査によって2〜4倍の開きはあれど、体外受精と胎盤異常に関連があることが報告されています。

ただ、2〜4倍リスクが上がるとは言っても、胎盤異常になるのは全妊婦の数%と稀なケースではあるので、確率的には低いですし、体外受精を否定する材料にはならないとは思いますが、妊娠期間を通してそういったリスクを抱える可能性があるということも理解した上で、ステップアップを検討すべきだと思います。

辛いことも多いし結果が伴うとも限らないけど、やってよかった

治療前は、20代で体外受精に進めば、すぐに妊娠できると思っていました。

なんとなく、体外受精って“神の手”のような、万能な治療法だと思っていたんですね。

それが、いざ治療に踏み切ってみると

  • 毎日の注射
  • OHSS
  • 貯金はみるみる溶けてゆく
  • なのに全然妊娠しない!!!

と、想像異常に辛いことも多く、一度は心が完全に折れたこともありました。

とはいっても、やはり体外受精が重度の不妊を救う一番の手段であることには変わりありませんし、最終的に5年間の不妊から私を救ってくれたのも事実です。

ただ、体外受精に進んでからも治療は長期化する可能性が十分考えられるので「決して、体外受精は万能な治療法ではない」という理解は必要です。

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