大きな地震を経験したからこそ分かったこと
家の内装を考えるとき、みなさんはどれくらい【地震】に対する強さを意識しているでしょうか?
私は今まで、特に耐震を意識して家具選びをしたことはなく、「マンションが耐震基準を満たしてるから大丈夫でしょ〜」くらいに思っていました。
ところが先日、【震度6弱】の地震を経験して、これまでの考えがいかに甘かったかを思い知らされました。
震度6弱というと、「震度7よりも2段階も軽いし、死ぬほどじゃ無いし」と思うかもしれませんが、実際に経験してみるとその恐ろしさは凄まじいもので、被害は想像よりも遥かに甚大でした。
幸いにも私が住むマンション自体に亀裂等は入っていませんでしたが、近所は
- 取り壊しになった家が何件もある
- ほぼ全ての家の瓦が落ちている
- ブロック屏が倒れる、道路は地割れ・隆起がそこらじゅうで起こっている
というような状況でした。
しかも、マンションが無事だったとはいえ家の中はもう無茶苦茶で
- 大人でも立っていられないほどの揺れ
- ありとあらゆる物が落ちて割れている(食器棚の中身、本棚の中身、洗面所や風呂場に置いている物など、固定していない物はほぼ全て床に落ちていました)
- 冷蔵庫、大きい本棚、食器棚など大きくて重い家具が20〜30cmほど移動していた
という感じでした。
あと10秒揺れが長く続いていたら、どうなっていたことかと考えるだけでもゾッとしてしまいます。
そんな震度6弱の揺れを言葉で表すと、いわゆる地震の「ガタガタ…ユラユラ…」とは全く違くて、「家を巨人に持ち上げられて思いっきり上下左右に振られているような感覚」でした。
「地震が来てから逃げる」は無理だと確信
なかなか大きな地震だったせいもあり、私の場合は緊急地震速報が入る前に揺れがきました。
しかも、これだけの強い揺れに突然襲われると、一瞬頭が真っ白になり、状況を理解するのに驚くほど時間がかかります。
地震に襲われると、脳内にそういったロスタイムが生じてしまうので、「地震が来てから安全な場所に移動する」というのは基本無理なんだと確信しました。
それはつまり、家の中を地震に強い設計に変えなければならないということでもあります。
赤ちゃんの寝んねスペースは【安全>おしゃれ】を重視
今までは、大人だけが生活しているのであれば、多少物が倒れてきても大丈夫かな?と思っていましたが、赤ちゃんが居るとなると話は全く変わります。
地震は咄嗟のことすぎて、大人が近くにいても守ってあげられる保証は全く無いと考えていた方が良いので、そのことを考慮して、赤ちゃんが過ごすスペースを作らなければなりません。
我が家では大きな地震を経験してから赤ちゃんを迎えることになったので、1にも2にも安全を考えた部屋作りをしました。
赤ちゃん時代の写真はたくさん撮りたいし、せっかくなら思いっきりオシャレでキュートな子供部屋にしたかったですが、そこはグッと我慢です。
耐震を考えて作る赤ちゃんスペースのポイント
まず我が家では、物置状態になっていた和室が1つあったので、その荷物を全て片付けて1部屋まるまる赤ちゃんスペースにすることにしました。
リビングとも続いている部屋なので、ある程度成長するまではこの和室と、日当たりの良いリビングが赤ちゃんの基本生活スペースになる予定です。
物置状態だった部屋からは、服やバッグをはじめ、不用品がゴミ袋20袋分も!
思い切って断捨離できてよかったです。
では、スッキリした部屋をどう地震に強い部屋に作り替えるか、私が気をつけたポイントは以下の7つです。
①キャスターで動くものは置かない
まず、揺れに弱いキャスター家具は一切置かないことにしました。
最近、IKEAやニトリの3段キャスターを使って赤ちゃんグッズをまとめる「ベビーワゴン」が流行っていますよね。
可愛いし便利そうだしということで、私も最初はこれに憧れていたのですが、キャスターは危ないので諦めました。
たとえストッパーでキャスターを止めていたとしても、重心が上にあるものは100%倒れると思っておいた方が良いです。
しかも、キャスターは赤ちゃんが動くようになった時に指を挟んだりという危険も発生しそうなので、先々使いにくいということもベビーワゴンを却下した1つの理由です。
実は、今リビングに部屋干し用としてキャスタータイプの物干しを置いているのですが、赤ちゃんが生まれたらこれも別の部屋(大人だけが過ごす部屋)に移動する予定です。
②クローゼットや引き出しにも十分注意を
地震が起きた時に驚いたのが、家中のありとあらゆる“引き出し”が飛び出していたことです。
ローラーがついて滑りやすくなっている引き出しはもちろん、普段なら滑らかに開かないはずの木製ダンスの引き出しや、重い衣装ケースの引き出しも全て引っ張り出されたようになっていました。
地震というと、「物が倒れないように」ということに重点を起きがちですが、こういった「飛び出してくる物」にも細心の注意が必要です。
最初は赤ちゃんスペースに、軽い力で引き出せる子供用のチェストを置こうと思っていましたが、赤ちゃんが小さいうちはこれも辞めておこうと思います。
また、襖は大きく動くことはありませんでしたが、クローゼットのジャバラっぽくなっているドアも、地震の影響で全開になっていました。
実は、クローゼットよりもズレが少なかったのが襖だったという点も、赤ちゃんスペースを和室に作ることにした大きな理由です。
もしも洋室の場合、地震が起きた時にクローゼットが開き、中の衣装ケースから引き出しが飛び出すということが十分に考えられるので、ドアが開かないようにするストッパーをつけるなどした方が安全です。
③背の高い家具は置かない
大きな地震の時は【大きな家具ほど動く、倒れる】ので、赤ちゃんが過ごす和室とリビングには本棚などの大きい家具は置かないことにしました。
とはいえ、全く収納スペースが無いのも不便なので、カラーボックスを横置きにして対応することにしました。
背の低い家具なら重心が下にあるので、地震が来た時に多少動いたとしても倒れる危険性は低くなります。
④赤ちゃんは基本低い位置で生活させるスタイルに
キャスター付きの物や背の高い家具は起きたくないという方針だったので、ベビーベッドも買いませんでした。
そもそも【出産準備で買わなくてもよかった物ランキング】の常連でもあるベビーベッド。
- 使用期間が短い
- 赤ちゃんが一人で寝てくれるか分からない
- 使わなくなったら邪魔になる
- 赤ちゃんがよじ登ったりして危険
ということで結局使わなくなる人が多いようなので、我が家では最初っから床に布団を敷いて寝かせようと思っています。
夜はベビー布団、そして昼間リビングで過ごす時は「アカチャンホンポ」で購入したアンジェレッテのサニーマットをお昼寝布団代わりにするつもりです。
このサニーマットは写真映えもするし、洗えるし、厚みもしっかりあってフカフカで柔らかいので、プレイマットとしても長く使えると思います。
アカチャンホンポでは、このゾウ柄の他にも、キリン柄と、定番のサニーマットも取り扱っていました。
ネットで見ていたプッパプーポのサニーマットは「薄くて使えない」という口コミも多かったのですが、アカチャンホンポのものはきちんと厚みもあるし、なによりウォッシャブルなのが嬉しいポイントです。
アカチャンホンポの商品はネットでも購入できます。
⑤寝んねスペースの周り半径1mには物を置かない
夜寝るスペースも、昼寝をするスペースもそうですが、基本的に赤ちゃんを中心として半径1m以内には物を置かないようにするつもりです。
というのも、地震が起きると何が倒れてくるか、何が吹っ飛んでくるか全く想像がつきません。
半径1mでも完璧ではないと思いますが、部屋の大きさを考えるとそれ以上を確保するのはちょっと難しいので…。
テレビやソファ、テーブルからもっとも離れた場所にお昼寝スペースを確保するつもりです。
⑥割れやすい物は撤去&窓には飛散防止フィルムを
倒れた時に割れやすい姿見などは、ひとまず和室&リビングから撤去しました。
また、我が家では窓ガラスから一番遠い場所に寝んねスペースを作る予定ですが、窓との距離が近いなら念のため飛散防止フィルムを貼っておいた方が安心です。
飛散防止フィルムは地震対策としてだけでなく、台風の時や防犯にも役立つので、いざという時にとても大きな安心材料になります。
⑦耐震マットはやっぱり凄い
今回改めて感じたのが、耐震マットの威力です。
我が家では60インチとかなりテレビを置いているのですが、耐震マットをつけていたおかげか、テレビ台は豪快に動いていたのに、上に乗っていたテレビは倒れずに無事でした!
安全面はもちろんですが、高価な家電は壊れるとショックも大きいので、耐震マットを敷いておくことをオススメします。
防災グッズももちろん用意
家の中を地震に強い作りにすることができたら、忘れてはいけないのが防災グッズ。
特に、衛生用品と食品は地震後だと買い占めもあり、手に入れるのがとても難しいです。
そこで我が家では、最低限の物として
- 水(2L×12本)
- 非常食(5〜6食分)
- トイレットペーパー(1ロール)
- ティッシュペーパー(1箱)
- ウェットティッシュ(20枚入×2パック)
- 着替え(下着やTシャツなど、とりあえず1日分)
をストックし、一箇所にまとめています。
これらと一緒に大きなバッグも仕舞ってあるので、逃げる時はこれらをバッグに詰めるだけでOKです。
そして、赤ちゃんが生まれたらここにプラスして
- オムツ
- おしりふき
- 液体ミルク
- ベビーフード
も常備しておこうと思います。
オムツやベビーフードは月齢によって使う物が変わるので、防災グッズとして用意するのも大変だと思いますが、やはり避難所などで困ったこととして多く聞かれるのが「オムツやミルク」なので、気を抜かずに頑張りたいと思います。
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